全体統括職とは?仕事内容・具体的な職業・キャリアパスを徹底解説

記事のまとめ
  • 全体統括職とは、宇宙プロジェクト全体を指揮し、ビジネスと技術の両面からミッションを成功に導く「総責任者」です。
  • 全体統括職の主な業務は、「なぜ宇宙へ行くか」の企画立案から、開発計画の実行、数百人のチーム管理まで、プロジェクトの全工程を統括します。
  • 全体統括職に向いている人は、・チームをまとめるのが好き/・全体を俯瞰して考えるのが得意/・困難な状況でも冷静な判断ができるタイプ
目次
全体統括職とは、ロケットや人工衛星の特定の部品を作るのではなく、プロジェクトやシステム「全体」の成功に責任を持つリーダー層の総称です。
宇宙開発は、数百億円の予算と数百人の専門家が関わる巨大プロジェクトです。技術的な正解を見つけるだけでなく、ビジネスとして成立させ、多様なステークホルダー(関係者)を一つにまとめる「統合力」が求められます。

具体的な職業

内閣府の宇宙スキル標準(SSS)では、このカテゴリーに3つの専門職が定義されています。以下のリストから、あなたの興味や適性に合う職種を選んでください。

A. ビジネスアーキテクト

宇宙技術を使って「どうやって稼ぐか」を企画し、0から1で事業の仕組みを創り出すプロデューサー。
\ こんな人にピッタリ/
  • 新しいビジネスを考えるのが好き
  • 0から1を生み出すことに情熱がある人。

B. プロジェクトマネージャ(PM)

予算やスケジュールを管理しながらチームを指揮し、ミッションを成功まで導くプロジェクトのリーダー。
\ こんな人にピッタリ/
  • チームをまとめ上げるのが好き
  • 計画通りに物事を進める管理能力を発揮したい人。

C. システムアーキテクト 

顧客の「やりたいこと」を技術的な「設計図」に翻訳し、最適なシステム構造を決める技術の総監督。
\ こんな人にピッタリ/
  • 顧客の要望を技術的な設計図に落とし込みたい
  • 最適なシステムを構築したい人。

共通するやりがい・年収

やりがい

  • 最大の魅力は、その社会的インパクトの大きさです。国家規模の宇宙探査や、地球環境問題を解決するインフラ構築など、自分の仕事がニュースになり、歴史の教科書に残るようなミッションに関わることができます。
  • また、まだ世の中にない市場や人類未踏のシステムをゼロから設計し、形にする「0から1」を生み出す達成感も格別です。困難が大きい分、打ち上げが成功した時の感動は、他の仕事では味わえないものでしょう。
  • さらに、巨額の予算管理や複雑な法規制への対応を通じて、経営層(CXO)に近い高度なマネジメント視点が養われます。これにより、ビジネスパーソンとしての市場価値も飛躍的に高まります。

年収

  • プロジェクトの成否を握る責任あるポジションのため、一般的なエンジニア職や管理職と比較して、高い水準で評価される傾向にあります。

※現在の「宇宙スキル標準」において具体的な年収額は公表されていません。詳細な待遇や業務内容は、「宇宙スキル標準」の公表次第、随時追加していきます。

未経験から目指すには

新卒・転職者を問わず、いきなり「全体」を見ることはできません。まずは「自分の得意分野(専門性)」を持ち、そこから徐々に視野を広げていくのが王道ルートです。

未経験から目指すには(キャリアパス)

STEP
学習・準備
  • 宇宙ビジネスには「修理に行けない(品質第一)」「勝手に輸出できない(法規制)」などの特有のルールがあります。
  • アクション:書籍やニュースで業界動向を学ぶほか、システム工学の基礎や、PMBOK(プロジェクト管理)などの資格取得準備を進めます。
STEP
仕事にする
  • エンジニア(構造、電気、ソフト等)や、営業・法務などの「プレイヤー」としてプロジェクトに参加します。
  • ポイント:まずは現場の実務を通じて、宇宙開発の勘所(かんどころ)と信頼を積み上げます。
STEP
信頼される
  • 3〜5人のチームリーダーや、サブシステムの設計責任者として、小規模な管理業務を経験します。ここで「人を動かす難しさ」や「技術とスケジュールの調整」を実践で学びます。
STEP
全体を統括する
  • 実績が認められ、プロジェクト全体を任されるPMやアーキテクトとして活躍します。
  • 異業種(自動車、ITなど)でのマネジメント経験がある方は、STEP2〜3を短期間で通過し、早期に抜擢されるケースも多くあります。
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