コーポレート・ビジネス職とは?仕事内容・具体的な職業・キャリアパスを徹底解説

記事のまとめ
  • コーポレート・ビジネス職とは、技術以外の側面(人・金・法律・契約・営業など)から宇宙プロジェクトを支え、事業を加速させる「宇宙企業のエンジニアリング以外のすべて」を担うプロフェッショナルです。
  • 主な業務は、資金調達、人材採用、法務契約、部品調達、そして技術を社会に売る営業・マーケティングなど、会社というロケットの「燃料」と「軌道」を作る仕事です。
  • コーポレート・ビジネス職に向いている人は
    • 理系ではないが宇宙に関わりたい
    • 自分の専門スキル(営業や経理など)を新しい業界で試したい
    • 裏方として大きなミッションを支えるのが好きなタイプ
目次
コーポレート・ビジネス職とは、ロケットや人工衛星を「作る」のではなく、宇宙開発を行う「企業(組織)」を作り、動かす専門職の総称です。 「文系だから宇宙の仕事は無理」と思っていませんか? それは大きな間違いです。 数百億円の資金を集める財務、世界中の国と契約を結ぶ法務、特殊な部品を買い付ける調達、そして宇宙の価値を顧客に伝える広報や営業。エンジニアが作った技術を「ビジネス」として成立させる力がなければ、宇宙開発は持続できません。今、宇宙業界で最も不足し、求められている人材たちです。

具体的な職業

内閣府の宇宙スキル標準(SSS)の定義などを参考に、このカテゴリーの主要な9つの職種を紹介します。あなたの経験や適性に合う職種を選んでください。

A. 法務総務・契約関連担当

宇宙法や国際契約を武器に、企業のリスクを守る「法の番人」。 「宇宙活動法」などの特殊な法律への対応、海外企業との契約交渉、輸出管理(安全保障貿易管理)などを担当します。
\ こんな人にピッタリ/
  • 法律の知識を最先端の分野で活かしたい
  • 論理的な思考でリスクを回避するのが得意な人。

B. 人事(採用・労務)


優秀なエンジニアやビジネスマンを集め、組織を活性化させる「チームビルダー」。 世界中から専門人材を採用し、特殊な環境で働く社員の労務管理や評価制度の設計を行います。
\ こんな人にピッタリ/
  • 人の強みを見つけるのが好き
  • 成長フェーズの組織づくりに情熱がある人。

C. 財務・経理


巨額の開発資金を管理し、会社の血液(お金)を循環させる「金庫番」。 投資家からの資金調達、数年越しのプロジェクト会計、補助金の申請・管理など、スケールの大きなファイナンスを担います。
\ こんな人にピッタリ/
  • 数字に強く、経営視点で物事を考えられる
  • スタートアップの資金調達やIPO準備に興味がある人。

D. 調達・在庫管理


世界中から必要な部品や材料を買い付け、開発を止めない「補給部隊」。 サプライヤー(供給元)の開拓、価格交渉、納期管理を行い、エンジニアが必要なモノを必要な時に届けます。
\ こんな人にピッタリ/
  • 買い物上手で、交渉事が苦にならない
  • 段取りを組んで物流をコントロールするのが好きな人。

E. 情報システム担当者(情シス)

社内のITインフラを整備し、社員が快適に働ける環境を作る「社内ITの便利屋」。 PCのセットアップから、サーバー構築、社内ツールの導入まで、組織のデジタル環境を支えます。
\ こんな人にピッタリ/
  • PCやツールに詳しく、困っている人を助けるのが好き
  • 業務効率化のために新しいシステムを入れるのが楽しい人。

F. 営業


人工衛星のデータやロケットの輸送サービスを、顧客の課題解決につなげる「ソリューションプロバイダー」。 「衛星画像で農業を効率化しませんか?」といった提案を行い、宇宙技術と地上社会をつなぐ架け橋となります。
\ こんな人にピッタリ/
  • 人と話すのが好きで、新しい価値を提案したい
  • 難しい技術をわかりやすく翻訳して伝えるのが得意な人。

G. 経営企画・事業開発


「宇宙でどう稼ぐか」というビジネスモデルを描き、会社を導く「軍師」。 新規事業の立案、アライアンス(提携)の推進、中期経営計画の策定など、会社の未来図を作ります。
\ こんな人にピッタリ/
  • 0から1でビジネスを作るのが好き
  • 誰もやったことがない市場を開拓することに燃える人。

H. 広報・マーケティング


宇宙への挑戦をストーリーとして発信し、ファンや顧客を増やす「伝道師」。 プレスリリースの作成、イベント出展、メディア対応などを通じて、会社のブランド価値を高めます。
\ こんな人にピッタリ/
  • 文章を書くことや、情報を発信するのが好き
  • 「すごい技術」を世の中に広めたいという熱意がある人。

I. セキュリティエンジニア

サイバー攻撃から機密情報や技術データを守る「デジタルの要塞守」。 宇宙技術は国家機密にも関わるため、高度なサイバーセキュリティ対策や、情報漏洩を防ぐ仕組みを構築します。
\ こんな人にピッタリ/
  • 守ることに使命感を感じる
  • 最新のサイバー攻撃手口や防御技術に興味がある人。

共通するやりがい・年収

やりがい

最大の魅力は、「文系職でも宇宙開発の当事者になれる」ことです。 ロケットの打ち上げ成功の瞬間、エンジニアと抱き合って喜べるのは、あなたが資金を集め、部品を調達し、法的な許可を取ったからです。 また、宇宙ビジネスはまだ黎明期(れいめいき)です。前例のない契約を結んだり、新しい市場を作ったりと、「教科書にない仕事」に挑戦できるエキサイティングな環境があります。

年収

  • 宇宙業界は専門性が高いため、法務(宇宙法)、財務(大型調達)、エンジニアリングセールスなどの特定スキルを持つ人材は、他業界と比較しても高い水準で評価される傾向にあります。

※現在の「宇宙スキル標準」において具体的な年収額は公表されていません。詳細な待遇や業務内容は、「宇宙スキル標準」の公表次第、随時追加していきます。

未経験から目指すには

コーポレート・ビジネス職は、異業界(商社、メーカー、IT、金融など)からの転職者が最も多い領域です。「宇宙の知識」は入社後に学べば良いため、現在の専門スキルがそのまま武器になります。

未経験から目指すには(キャリアパス)

STEP
学習・準備
  • 宇宙ビジネスには「輸出管理(勝手に海外に売れない)」「許認可(打ち上げには許可がいる)」などの特有ルールがあります。 まずは業界の全体像と、お金や法律の動きを知ることから始めましょう。
  • アクション:
    • 「宇宙ビジネスのニュース」を読む 「宙畑(そらばたけ)」などの専門メディアや、日経新聞の宇宙関連ニュースを読み、「今どの企業が、誰と組んで、何をやろうとしているか」という業界地図を頭に入れます。
    • 「自分の職種×宇宙」を知る 例えば法務なら「宇宙活動法」、経理なら「研究開発費の会計処理」など、自分の専門領域で宇宙特有のキーワードがないか検索してみましょう。
STEP
仕事にする
  • 宇宙ベンチャーや、大手企業の宇宙事業部へ、ご自身の「強み(営業、経理、人事など)」を活かして転職・参画します。
  • ポイント:
    • 面接では「宇宙が好き」だけでなく、「私のこのスキル(例:海外営業経験)が、貴社のこの課題解決に役立ちます」と提案型でアピールするのが採用への近道です。
STEP
信頼される
  • 入社後、宇宙特有の商習慣や技術用語を学びながら、実務で成果を出します。 エンジニアと密にコミュニケーションを取り、「技術がわかる営業」「現場の痛みがわかる人事」として信頼を積み上げます。
STEP
全体を統括する
  • 実績が認められ、CFO(最高財務責任者)、CHRO(最高人事責任者)、事業部長などの経営幹部として活躍します。 宇宙業界はスタートアップが多いため、異業界でのマネジメント経験がある方は、早期に経営層として迎えられるチャンスが豊富にあります。
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