調達・在庫管理とは?仕事内容・必要なスキル・キャリアパスを解説!
記事のまとめ
- 調達・在庫管理とは
- 「世界中からロケットや衛星の部品を探し出し、最適な価格と納期でエンジニアの手元に届ける『宇宙開発の敏腕バイヤー』」 です。
- 調達・在庫管理の主な業務は
- 「部品の発注、納期の管理、価格交渉、そして在庫の管理を行い、国内外のメーカーとやり取りしてスムーズな製造を支えること」 です。
- 調達・在庫管理に向いている人は
- 買い物上手で、安くて良いものを探すのが得意な人
- 交渉ごとが好きで、相手とWin-Winの関係を築ける人
- 英語を使って世界中の企業とビジネスをしてみたい人
目次
調達・在庫管理とは?
調達・在庫管理の主な仕事は、「プロジェクトに必要な資材や部品を、予算内・期限内に確保し、製造現場へ供給すること」 です。 そのあとに、調達・在庫管理の仕事内容や、調達・在庫管理の役割について解説していきます。
仕事内容
ロケットや人工衛星を作るには、ネジ一本から最先端の電子機器まで、膨大な数の部品が必要です。これらの部品を、日本国内だけでなく世界中のメーカーから探し出し、品質・価格・納期を交渉して買い付けるのがメインの仕事です。また、届いた部品を倉庫で適切に管理し、必要な時に工場へ渡す在庫管理や、海外への送金手続きなども行います。
役割
エンジニアが良い設計図を書いても、部品がなければモノは作れません。調達担当は、限られた予算の中でベストな部品を揃え、プロジェクトのスケジュールを守る「縁の下の力持ち」です。特に宇宙業界では海外取引が多いため、言葉や文化の壁を越えて交渉し、サプライチェーン(供給網)を構築する重要な役割を担っています。
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調達・在庫管理の具体的な業務内容
宇宙スキル標準を参考に、このロールが担う業務を紹介します。
- [調達]
- 必要な部品や材料を作っているメーカー(サプライヤ)を選定し、見積もりを取って価格や納期を交渉し、契約を結んで発注する業務です。納品が遅れないよう進捗を確認することも含まれます。
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調達・在庫管理に必要なスキルと推奨資格
宇宙スキル標準では、この職種において専門的な知識からヒューマンスキルまで、多岐にわたる能力が定義されています。 専門用語も多いため、以下のボタン(リンク)からそれぞれの詳しい解説ページを確認してみてください。
スキル一覧
このロールに求められるスキルをまとめると、 「海外メーカーとの交渉や契約、輸出入の手続きを行うための『貿易・語学・契約実務系』のスキルが多く求められます」 です。 具体的なスキル項目は以下の通りです。
求められるスキル
求めるスキルの目安(レベルについて)
調達・在庫管理に求められるスキルはそれぞれ5段階で分類され、あなたの現在の位置がわかるようになります。
誰もが最初はLv.1からのスタート。宇宙業界のルールを少し覚えるだけで、すぐにLv.3へ到達できます。 恐れずに、今のあなたの持ち技をチェックしてみてください。
転職に役立つ資格
一部はスキル標準でも参照されていますが、ここでは「標準外」のものも含め、未経験者が転職活動でアピールしやすい資格を参考として紹介します。
国家資格
- 通関士
- 知的財産管理技能士
- 危険物取扱者(乙種など、資材管理に有用)
- 衛生管理者(倉庫等の管理)
民間資格
- 貿易実務検定
- CPP(調達プロフェッショナルスタディー)
- ビジネス実務法務検定試験
- TOEIC(海外調達で必須級)
- 日商簿記検定
調達・在庫管理のやりがい・年収
やりがい
調達・在庫管理の仕事には、他では味わえない大きな3つの魅力があります。
- 世界を股にかけるビジネス
- 宇宙機器の部品は世界中に散らばっています。海外のメーカーと英語でタフな交渉を行い、信頼関係を築いていくグローバルな働き方ができます。
- プロジェクトの成功を左右する責任感
- 「あなたがこの部品を見つけてくれたおかげで、開発が間に合った」とエンジニアから感謝されることがあります。自分の調達力がプロジェクトの命運を握っています。
- コストダウンによる貢献
- 交渉によって部品コストを下げることができれば、それはそのまま会社の利益や、より安価な宇宙輸送の実現に直結します。数字で成果が見えやすい仕事です。
年収
調達・在庫管理は、専門性が求められるため、宇宙業界の中でも 一般的~やや高水準 の傾向にあります。 特に、理系の知識を持っていて図面が読める「技術購買」ができる人や、ビジネスレベルの英語力があり海外契約に強い人は、市場価値が高く年収も上がりやすいです。
※現在の「宇宙スキル標準」において具体的な年収額は公表されていません。詳細な待遇や業務内容は、「宇宙スキル標準」の公表次第、随時追加していきます。
調達・在庫管理を未経験から目指すには(キャリアパス)
今はまだ宇宙に関する知識も資格もなくて大丈夫です。まずは目の前の経験を活かしながら、段階的にステップアップしていきましょう。
STEP
学習・準備
まずは「貿易実務」や「契約」の基礎知識に触れることから始めます。インコタームズ(貿易条件)などのルールを学びます。
アクション:貿易実務検定C級の勉強をしたり、ビジネス英語のメールライティングを学んだりして、海外取引の基礎を身につけましょう。
STEP
仕事にする
「完璧な知識」がなくても、ポータブルスキル(持ち運び可能な能力)を武器に飛び込みます。メーカーでの購買経験、商社での貿易事務経験、物流会社での管理経験などは、そのまま宇宙業界で活かせます。
アクション:宇宙ベンチャーの「購買・調達担当」や「サプライチェーン管理」の求人に応募し、実務を通じて部品の名前や業界の商習慣を覚えます。
STEP
信頼される
現場で働きながら、必要な知識や資格を身につけていきます。宇宙特有の「品質保証要求」を理解し、サプライヤに対して適切な管理・指導ができるようになります。
アクション:実務の中でCPP(調達プロフェッショナル)などの資格取得を目指し、単なる「発注係」から「調達戦略の立案者」へと成長します。
STEP
全体を統括する
将来的には、調達部門の責任者(CPO:最高調達責任者)や、サプライチェーンマネージャーを目指します。
アクション:世界中に強固なサプライチェーンを構築し、どんな状況でも部品供給を途絶えさせない強靭な生産体制を作り上げます。
調達・在庫管理への転職を成功させるには
宇宙業界の調達・在庫管理に最も必要なのは、「『何としてでも必要なものを揃える』という執着心と行動力」 です。 理系・文系という枠にとらわれる必要はありません。あなたがこれまでのキャリアで培ってきた「メーカーや商社での実務経験」や「交渉力」、「語学力」は、そのまま宇宙ビジネスの現場で求められています。まずは自分の経験の棚卸しから始めてみましょう。

