管制システムエンジニアとは?仕事内容・必要なスキル・キャリアパスを解説!
記事のまとめ
- 管制システムエンジニアとは
- 「地上から遠く離れた宇宙機(ロケットや人工衛星)に対し、電波を使って指令を送り、ミッションを成功へ導く『宇宙への指令塔』」 です。
- 管制システムエンジニアの主な業務は
- 「国内外のアンテナ設備を使って宇宙機の健康状態をチェックし、遠隔操作で機器をコントロールすること」 です。
- 管制システムエンジニアに向いている人は
- 画面越しの情報から状況を正しくイメージできる人
- 緊急時でも慌てずに手順通りの操作ができる冷静な人
- チーム全体を見渡し、声を掛け合って連携できる人
目次
管制システムエンジニアとは?
管制システムエンジニアの主な仕事は、「地上の管制室から宇宙機と交信し、正常に動作するようコントロールすること」 です。 そのあとに、管制システムエンジニアの仕事内容や、管制システムエンジニアの役割について解説していきます。
仕事内容
射場(ロケット発射場)にある管制室で、世界中のアンテナ局とネットワークをつなぎ、宇宙を飛んでいるロケットや衛星の状態(温度や電圧など)をモニターで監視します。
さらに、「観測を始めろ」「姿勢を変えろ」といった命令(コマンド)を電波で送り、宇宙機を思い通りに動かします。
役割
ロケットや衛星を作った開発者たちに代わり、実際に打ち上がった後の機体を操作する「運用」のプロフェッショナルです。
宇宙に行って修理することはできないため、地上から送るデータだけが頼りです。トラブルが起きた際にシステムを守り、ミッションを継続させるための「命綱」としての役割を担います。
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管制システムエンジニアの具体的な業務内容
宇宙スキル標準を参考に、このロールが担う業務を紹介します。
- [打上げオペレーション
- (エンジニアリング)] ロケットが打ち上げられる際、管制室にて秒単位で変化するロケットや搭載衛星のデータを監視し、計画通りに飛行しているかを確認する業務です。必要に応じて地上から分離信号を送ったり、機器のスイッチをONにする指令を出したりして、宇宙への旅立ちを技術的に支えます。
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管制システムエンジニアに必要なスキルと推奨資格
宇宙スキル標準では、この職種において専門的な知識からヒューマンスキルまで、多岐にわたる能力が定義されています。 専門用語も多いため、以下のボタン(リンク)からそれぞれの詳しい解説ページを確認してみてください。
スキル一覧
このロールに求められるスキルをまとめると、 「無線やネットワークを通じてシステムを遠隔操作するための『通信・ITインフラ系』のスキルと、安全を守る判断力が多く求められます」 です。 具体的なスキル項目は以下の通りです。
求められるスキル
求めるスキルの目安(レベルについて)
管制システムエンジニアに求められるスキルはそれぞれ5段階で分類され、あなたの現在の位置がわかるようになります。
誰もが最初はLv.1からのスタート。宇宙業界のルールを少し覚えるだけで、すぐにLv.3へ到達できます。 恐れずに、今のあなたの持ち技をチェックしてみてください。
転職に役立つ資格
一部はスキル標準でも参照されていますが、ここでは「標準外」のものも含め、未経験者が転職活動でアピールしやすい資格を参考として紹介します。
国家資格
- 陸上無線技術士(第一級・第二級)
- 基本情報技術者
- 電気通信主任技術者
- ITパスポート
民間資格
- CCNA(ネットワーク技術の証明)
- LinuC / LPIC(サーバーOSの知識)
- TOEIC(海外局との調整や英語マニュアルのため)
- HTML5プロフェッショナル認定試験(システムの表示画面等の理解)
管制システムエンジニアのやりがい・年収
やりがい
管制システムエンジニアの仕事には、他では味わえない大きな3つの魅力があります。
- 宇宙とつながるダイレクトな実感
- 自分がキーボードで打ち込んだ指令(コマンド)によって、数百キロメートル上空にある衛星が実際に動きます。宇宙と直接対話しているような感覚は、この仕事だけの特権です。
- ミッション成功の最前線
- 開発にかかった長い年月の成果が、運用の瞬間に集約されます。ロケットが無事に宇宙へ届いた瞬間や、初めて衛星からの信号を受信した瞬間の喜びを、チーム全員で分かち合えます。
- グローバルなチームプレー
- 地球の裏側にあるアンテナ局や、海外の宇宙機関と連携してデータをリレーします。世界規模のネットワークを駆使して一つのミッションを支える一体感があります。
年収
管制システムエンジニアは、専門性が求められるため、宇宙業界の中でも 安定的で、スキルや担当するミッションの重要度に応じて高くなる 傾向にあります。 特に、24時間体制の監視業務などでシフト勤務の手当がつく場合や、無線技術士などの資格手当がある場合は、一般的なITエンジニアより高水準になることもあります。
※現在の「宇宙スキル標準」において具体的な年収額は公表されていません。詳細な待遇や業務内容は、「宇宙スキル標準」の公表次第、随時追加していきます。
管制システムエンジニアを未経験から目指すには(キャリアパス)
今はまだ宇宙に関する知識も資格もなくて大丈夫です。まずは目の前の経験を活かしながら、段階的にステップアップしていきましょう。
STEP
学習・準備
まずは「電波が届く仕組み」や「コンピュータネットワーク」の基礎知識に触れることから始めます。ITインフラの基本を学ぶことが近道です。
アクション:ITパスポートやCCNAなどの勉強を通じて、ネットワークの仕組みを理解したり、無線工学の基礎書を読んだりしてみましょう。
STEP
仕事にする
「完璧な知識」がなくても、ポータブルスキル(持ち運び可能な能力)を武器に飛び込みます。サーバー監視やネットワーク運用保守(ITオペレーター)の経験は、そのまま宇宙機の運用に応用できます。
アクション:宇宙関連企業の「運用支援」ポジションや、IT企業の「インフラ監視・運用」職に応募し、マニュアルに基づいた正確なオペレーション経験を積みます。
STEP
信頼される
現場で働きながら、必要な知識や資格を身につけていきます。宇宙機特有の通信プロトコルや、トラブル時の対応フローを習得し、独り立ちします。
アクション:実務の中で「第一級陸上無線技術士」の取得を目指し、技術的な根拠を持って判断できるエンジニアへと成長しましょう。
STEP
全体を統括する
将来的には、運用の指揮を執る「ミッションディレクター」や、管制システムの設計を行う上流エンジニアを目指します。
アクション:複数の衛星運用や打上げプロジェクトを経験し、緊急時の判断やチーム全体の指揮を行うリーダーとして活躍します。
管制システムエンジニアへの転職を成功させるには
宇宙業界の管制システムエンジニアに最も必要なのは、「冷静沈着さと、チームへの報告・連絡・相談を怠らないコミュニケーション能力」 です。 理系・文系という枠にとらわれる必要はありません。あなたがこれまでのキャリアで培ってきた「ITシステムの運用保守経験」や「チームでのプロジェクト進行経験」は、そのまま宇宙ビジネスの現場で求められています。まずは自分の経験の棚卸しから始めてみましょう。

