施設設備エンジニアとは?未経験から目指す仕事内容・年収・キャリアパス
記事のまとめ
- 施設設備エンジニアとは
- 「ロケット発射場という巨大基地の機能を維持し、電気・ガス・空調などのインフラを守る『基地のドクター』」 です。
- 施設設備エンジニアの主な業務は
- 「ロケットの組立や点検に使う巨大なクレーンや電源設備などが、いつでも正常に動くように点検・修理し、打上げの舞台を整えること」 です。
- 施設設備エンジニアに向いている人は
- 機械いじりが好きで、仕組みを理解するのが得意な人
- 「当たり前」の状態を維持することに責任感を持てる人
- トラブルが起きた時に、慌てず原因を探れる冷静な人
目次
施設設備エンジニアとは?
施設設備エンジニアの主な仕事は、「射場の設備をメンテナンスし、ロケット打上げ作業が止まらないよう環境を守ること」 です。 そのあとに、施設設備エンジニアの仕事内容や、施設設備エンジニアの役割について解説していきます。
仕事内容
ロケットそのものではなく、ロケットを組み立てる工場や発射台、それを支える電気・空調・通信設備などを管理します。
ロケット搬入から打上げまでの間、クレーンが動かない、電源が入らないといったトラブルが起きないよう、日々の点検や部品交換を行い、設備を常に「健康な状態」に保ちます。
役割
ロケットを作るエンジニアが「主役」なら、施設設備エンジニアは「最高の舞台を用意する裏方」です。
どんなに高性能なロケットも、発射台や組立設備が故障していては宇宙に行けません。スケジュールの遅延を防ぎ、安全な作業環境を提供することで、プロジェクトの足元を支える重要な役割です。
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施設設備エンジニアの具体的な業務内容
宇宙スキル標準を参考に、このロールが担う業務を紹介します。
- [射場・地上システムの整備]
- 発射台の可動部分や、ロケットに燃料を送る配管、組立棟のクレーン、電気設備などが正常に動くか定期的にチェックし、故障があれば修理する業務です。
- [射場運営]
- 多くのエンジニアが効率よく作業できるよう、設備の使用スケジュールを調整したり、打上げ当日に設備トラブルが起きた際の緊急対応を行ったりする業務です。
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施設設備エンジニアに必要なスキルと推奨資格
宇宙スキル標準では、この職種において専門的な知識からヒューマンスキルまで、多岐にわたる能力が定義されています。 専門用語も多いため、以下のボタン(リンク)からそれぞれの詳しい解説ページを確認してみてください。
スキル一覧
このロールに求められるスキルをまとめると、 「巨大な機械を動かす操縦技術や、電気・機械のトラブルに対応するための『設備管理・保全系』のスキルが多く求められます」 です。 具体的なスキル項目は以下の通りです。
求められるスキル
求めるスキルの目安(レベルについて)
施設設備エンジニアに求められるスキルはそれぞれ5段階で分類され、あなたの現在の位置がわかるようになります。
誰もが最初はLv.1からのスタート。宇宙業界のルールを少し覚えるだけで、すぐにLv.3へ到達できます。 恐れずに、今のあなたの持ち技をチェックしてみてください。
転職に役立つ資格
一部はスキル標準でも参照されていますが、ここでは「標準外」のものも含め、未経験者が転職活動でアピールしやすい資格を参考として紹介します。
国家資格
- 第二種・第一種電気工事士
- 第三種電気主任技術者(電験三種)
- 危険物取扱者(乙種第4類など)
- クレーン・デリック運転士
- 消防設備士
民間資格
- フォークリフト運転技能講習(※国家資格に準ずる技能講習ですが、未経験者に必須級のため推奨)
- 玉掛け技能講習
- 2次元CAD利用技術者試験(設備図面を読むため)
- TOEIC(海外製設備の英語マニュアルを読むため)
施設設備エンジニアののやりがい・年収
やりがい
施設設備エンジニアの仕事には、他では味わえない大きな3つの魅力があります。
- 圧倒的なスケール感
- ビル数階分もある巨大な発射台や、何トンものロケットを持ち上げるクレーンなど、ダイナミックな設備を自分の手で守り、動かす迫力があります。
- 打上げ成功を支える実感
- 自分が整備した発射台からロケットが轟音と共に飛び立つ瞬間、その成功を物理的に支えたのは自分たちの仕事だという、震えるような感動があります。
- 現場からの感謝
- 空調が直って作業しやすくなった」「クレーンの調子が良いよ」といった、現場のエンジニアからの直接の感謝が、日々のモチベーションになります。
年収
施設設備エンジニアは、専門性が求められるため、宇宙業界の中でも 安定的で、資格や夜勤対応などに応じて手当がつく 傾向にあります。 特に「電気主任技術者」などの難関資格を持っている場合や、特殊な高圧ガス設備の経験がある場合は、一般的な設備管理職よりも高い年収が期待できます。
※現在の「宇宙スキル標準」において具体的な年収額は公表されていません。詳細な待遇や業務内容は、「宇宙スキル標準」の公表次第、随時追加していきます。
施設設備エンジニアを未経験から目指すには(キャリアパス)
今はまだ宇宙に関する知識も資格もなくて大丈夫です。まずは目の前の経験を活かしながら、段階的にステップアップしていきましょう。
STEP
学習・準備
まずは「電気が流れる仕組み」や「機械図面の読み方」などの基礎知識に触れることから始めます。
アクション:「第二種電気工事士」や「危険物取扱者」の資格勉強を通じて、インフラ設備の基礎を身につけましょう。
STEP
仕事にする
「完璧な知識」がなくても、ポータブルスキル(持ち運び可能な能力)を武器に飛び込みます。ビルメンテナンス、工場での設備保全、電気工事の現場経験などは、そのまま宇宙業界で通用します。
アクション:射場設備の維持管理を行っている企業や、その協力会社に応募し、現場での点検・修理の実務経験を積みます。
STEP
信頼される
現場で働きながら、必要な知識や資格を身につけていきます。高圧ガスや極低温流体といった宇宙特有の設備知識を習得し、トラブルシューティングのプロになります。
アクション:実務の中で「玉掛け」や「クレーン」の免許を取り、大型設備の操作も任されるようになりましょう。
STEP
全体を統括する
将来的には、射場全体の設備計画を管理する「ファシリティマネージャー」を目指します。
アクション:老朽化した設備の更新計画を立てたり、より効率的な新しい設備を導入したりするプロジェクトのリーダーとして活躍します。
施設設備エンジニアへの転職を成功させるには
宇宙業界の施設設備エンジニアに最も必要なのは、「『動いて当たり前』を維持する粘り強さと責任感」 です。 理系・文系という枠にとらわれる必要はありません。あなたがこれまでのキャリアで培ってきた「工場やビルでの設備管理経験」や「機械の修理・メンテナンス経験」は、そのまま宇宙ビジネスの現場で求められています。まずは自分の経験の棚卸しから始めてみましょう。

