管制システムエンジニアとは?仕事内容・必要なスキル・キャリアパスを解説!

ロケットの打ち上げや人工衛星の運用において、地上から宇宙機を監視・制御する管制業務を担う職種です。管制オペレーターとして経験を積み、管制チームのリーダーやプロジェクトマネージャへとキャリアを広げていきます。
推定平均年収:約600万円
年収レンジ:400万円 〜 1,000万円
※推定年収は、関連職種の公的統計および宇宙業界の直近の求人市場データに基づく推計値です。経験やスキル等により実際の金額は異なります。
記事のまとめ
- 管制システムエンジニアとは 地上から宇宙機を監視・制御し、ミッションの遂行を支える職種です。
- 管制システムエンジニアに求められるスキルは、射場管制と衛星運用管制です。
- 管制システムエンジニアの平均年収は600万円
目次
管制システムエンジニアとは?
管制システムエンジニアの主な仕事は、「ロケットの打ち上げ時には地上から機体を追跡し、打ち上げ後は人工衛星に指令を送って正常に動いているかを監視・管理すること」です。ここでは、管制システムエンジニアの仕事内容や、管制システムエンジニアの役割について解説していきます。

仕事内容
管制システムエンジニアは、地上の管制システムを使って宇宙機を監視・制御する仕事です。
打ち上げ時には、国内外のアンテナ局と連携しながらロケットの位置や速度をリアルタイムで追跡します。打ち上げ後は、軌道上の人工衛星の状態を監視し、搭載機器の制御や観測の実行計画を指令として送信します。異常が発生した場合には迅速な対応も求められます。

役割
管制システムエンジニアは、宇宙機と地上をつなぐ「通信の司令塔」として欠かせない存在です。たとえば、気象衛星が正しく動かなければ天気予報の精度が下がり、GPS衛星の運用が止まればカーナビやスマホの地図アプリが使えなくなります。管制システムエンジニアの監視と制御がなければ、私たちの生活を支える宇宙サービスは維持できません。
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管制システムエンジニアの具体的な業務内容

宇宙スキル標準を参考に、このロールが担う業務を紹介します。
打上げオペレーション(エンジニアリング)
ロケットの打ち上げ当日に、管制システムを使って機体の状態を監視する業務です。たとえば、最終点検や燃料充填の状況を確認しながら、打ち上げ時にはレーダーで機体の位置と速度を追跡します。テレメータ(機体から送られてくるデータ)を監視し、異常がないかリアルタイムで判断します。
打上げ調整
ロケットの打ち上げに向けて、管制に必要な調整や準備を関係各所と行う業務です。たとえば、国内外のアンテナ局との通信スケジュールの調整や、管制システムの動作確認を行います。打ち上げ当日のオペレーション手順の確認や、関係部署との情報共有も重要な業務です。
射場運営
射場(ロケットの発射場)にある管制設備の管理・運用を行う業務です。たとえば、管制に使用するアンテナ設備や通信機器の日常的な点検・保守を担当します。打ち上げに向けてロケットや人工衛星を射場へ運搬する際の管制設備の準備も含まれます。
運用
打ち上げ後の人工衛星を地上から監視・制御する業務です。たとえば、衛星の軌道データを地上局で送受信し、搭載機器への指令送信やデータの取得を行います。緊急時の対応やソフトウェアの更新作業も含まれ、衛星が正常に動き続けるよう長期にわたって管理します。
前職でこんな仕事をしていた方におすすめ!
- 放送局/通信事業者などでネットワーク監視・運用管理をしていた人
- プラント/工場などで設備管理や制御システムの運用をしていた人
- 航空業界/防衛産業などで通信管制や運行管理をしていた人

管制システムエンジニアの魅力・やりがい
管制システムエンジニアの仕事には、他では味わえない大きな魅力・やりがいがあります

魅力
この仕事の一番の魅力は、ロケットの打ち上げから人工衛星の運用まで、宇宙ミッション全体に地上の司令塔として関われることです。打ち上げ時にはリアルタイムでロケットを追跡し、運用フェーズでは衛星に指令を送って制御する。宇宙開発の最前線を「現場」で支える臨場感は、他の職種にはない大きな魅力です。世界中のアンテナ局と連携しながら宇宙機を操る、スケールの大きな仕事といえるでしょう。

やりがい
この仕事のやりがいは、自分が管制した宇宙機が正常に動き続け、社会に貢献していることを実感できる点です。
たとえば、自分が運用管制を担当した気象衛星のデータが天気予報に使われ、GPS衛星の信号がスマホのナビゲーションを支えています。「自分が送った指令で、衛星が正しく動いている」——そう実感できることが、この仕事ならではの大きなやりがいです。
管制システムエンジニアの必要なスキルと推奨資格
宇宙スキル標準を参考に、この職種が担うスキルを紹介します。
スキル一覧
求められるスキルをまとめると、 「射場管制・衛星運用管制を中心に、設備管理や軌道計算まで担う『管制・運用系』のスキル」が多く求められます
求められるスキル
転職に役立つ資格
転職に有利な「地上の資格・経験」 一部はスキル標準でも参照されていますが、ここでは「標準外」のものも含め、未経験者が転職活動でアピールしやすい資格を参考として紹介します。
管制システムエンジニアに役立つ資格

国家資格
- 技術士(機械、航空・宇宙)
- 電気主任技術者
- 航空無線通信士
- 第一級陸上無線技術士
- 情報処理技術者試験(ネットワークスペシャリスト)
民間資格
- CCNA(シスコ技術者認定)
- LinuC / LPIC(Linux技術者認定)
- MATLAB認定資格
- PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)
- AWS認定ソリューションアーキテクト
管制システムエンジニアの年収
平均年収:約600万円
年収レンジ:400万円 〜 1,000万円
管制システムエンジニアの年収は、携わるプロジェクトの規模や管制対象によって変動します。政府の大規模衛星プロジェクト(官需)と民間の小型衛星コンステレーション(民需)では予算規模が異なり、年収水準にも差が出る傾向があります。商業衛星の増加に伴い、運用管制の専門人材の需要は高まっています。経験を積んで管制チームのリーダーやPMへステップアップすることで年収はさらに上がっていきます。
管制システムエンジニアのキャリアパス
STEP
現場で基礎を身につける
先輩の管制オペレーターのもとで、管制システムの基本操作や通信機器の使い方を学びます。打ち上げ時の追跡データの読み方や、衛星の状態を示すテレメトリ(遠隔計測データ)の見方を実務を通じて身につけていきます。
STEP
主担当として独り立ちする
特定の管制業務(たとえば射場管制や衛星運用管制など)を自力で担当できるようになります。打ち上げ時のリアルタイム管制や、日常的な衛星の監視・制御を一人で遂行し、異常時の初動対応も主導します。
STEP
専門リーダーとしてチームを率いる
管制チーム全体を統括し、複数のオペレーターを指導するポジションに就きます。航空業界でいえば「管制官からチーフコントローラー」への昇格に近い変化です。打ち上げオペレーション全体の管制計画の策定や、国内外のアンテナ局との連携の調整を担います。
STEP
組織・プロジェクト全体を統括する
管制業務にとどまらず、衛星ミッション全体やプロジェクト全体を見渡すポジションに就きます。宇宙スキル標準における「プロジェクトマネージャ(PM)」として、管制・運用を含むプロジェクト全体の計画策定と統括を担います。
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管制システムエンジニアへの転職を成功させるには
宇宙業界の管制システムエンジニアに最も必要なのは、「リアルタイムの状況変化に冷静に対応し、正確な判断を下す力」です。
理系・文系を問わず、システムの監視・運用や通信管理に携わった経験がある方であれば活躍の可能性があります。「ネットワークの監視・障害対応の経験」や「設備管理やプラントの運用経験」は、宇宙業界でもそのまま強みになります。まずは地上局がどのように宇宙機を管制しているのかを調べることから始めてみましょう。

