施設設備エンジニアとは?仕事内容・必要なスキル・キャリアパスを解説!

ロケットの打ち上げに関わるあらゆる設備を管理し、常に正常な状態に保つ職種です。
設備の保守・運用の経験を積みながら、射場運営の責任者やプロジェクトマネージャへとキャリアを広げていきます。
推定平均年収:約500万円
年収レンジ:350万円 〜 800万円
※推定年収は、関連職種の公的統計および宇宙業界の直近の求人市場データに基づく推計値です。経験やスキル等により実際の金額は異なります。
記事のまとめ
- 施設設備エンジニアとは ロケット発射場のあらゆる設備を管理し、打ち上げ環境を整える職種です。
- 施設設備エンジニアに求められるスキルは、機械設備管理と電気設備管理です。
- 施設設備エンジニアの平均年収は500万円
目次
施設設備エンジニアとは?
施設設備エンジニアの主な仕事は、「ロケットの組立てから打ち上げまでに使用する射場(発射場)のあらゆる設備を点検・保守し、打ち上げスケジュールどおりに作業が進められる環境を整えること」です。
ここでは、施設設備エンジニアの仕事内容や、施設設備エンジニアの役割について解説していきます。

仕事内容
施設設備エンジニアは、ロケットの打ち上げに使用する射場設備を常に健全な状態に保つ仕事です。
ロケットが射場に搬入されてから打ち上がるまでの間、組立てや機能点検に使用される設備が正常に動作するよう管理します。具体的には、空調・給排水・消火設備などの機械系設備、配電・非常用電源・通信設備などの電気系設備の点検・保守を行います。また、フォークリフトやクレーンなどの重機の運用も担当します。

役割
施設設備エンジニアは、ロケット打ち上げの「現場インフラの番人」として欠かせない存在です。たとえば、射場の空調設備が故障すれば精密機器の温度管理ができなくなり、電源設備が停止すれば制御システムそのものが動きません。施設設備エンジニアの管理がなければ、打ち上げスケジュールの遅延や中止につながりかねない、縁の下の力持ちのような重要な職種です。
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施設設備エンジニアの具体的な業務内容

宇宙スキル標準を参考に、このロールが担う業務を紹介します。
射場・地上システムの整備
ロケットの打ち上げに使用する射場や地上システムの設計・構築を行う業務です。
たとえば、燃料の貯蔵設備、燃焼試験設備、制御盤設備といった各種インフラの整備を担当します。施設設備エンジニアの視点から、設備の仕様策定や導入計画の立案にも関わります。
打上げ調整
ロケットの打ち上げに向けて、設備面での準備と関係各所への調整を行う業務です。
たとえば、打ち上げ前に各設備が正常に稼働するかを最終確認し、不具合があれば速やかに対応します。安全対策の検討・実行にも設備管理の観点から参加し、打ち上げスケジュールに影響が出ないよう他部署と連携します。
射場運営
射場設備の日常的な管理・運用を行い、打ち上げに向けた現場環境を維持する業務です。たとえば、機械設備や電気設備の定期点検・保守、故障時の修理対応を行います。打ち上げに向けてロケットや人工衛星を射場へ運搬する際に、クレーンやフォークリフトなどの重機を使った搬入作業も担当します。
前職でこんな仕事をしていた方におすすめ!
- メーカー/工場などで設備保全や設備管理の実務をしていた人
- ビル管理会社などで電気・空調・給排水設備の点検・保守をしていた人
- 建設現場などでクレーンやフォークリフトの運転・搬入作業をしていた人

施設設備エンジニアの魅力・やりがい
施設設備エンジニアの仕事には、他では味わえない大きな魅力・やりがいがあります

魅力
この仕事の一番の魅力は、ロケットの打ち上げを「設備」という土台から支える実感が得られることです。
機械設備から電気設備、重機の運用まで、射場のあらゆるインフラを自分の手で管理します。たとえば、自分が保守した設備が正常に稼働し、その上でロケットが組み立てられていく光景を間近で見ることができます。宇宙開発の現場を「モノづくり」のプロとして支える、手応えのある仕事といえるでしょう。

やりがい
この仕事のやりがいは、自分が管理した設備の上でロケットが無事に打ち上がり、人工衛星が宇宙に届けられることです。
設備管理という仕事は日頃は目立ちにくいものですが、設備が止まれば打ち上げ全体が止まります。自分の仕事がなければ打ち上げは成功しない——その責任の大きさと、成功した時の達成感が、この仕事ならではの大きなやりがいです。
施設設備エンジニアの必要なスキルと推奨資格
宇宙スキル標準を参考に、この職種が担うスキルを紹介します。
スキル一覧
求められるスキルをまとめると、 「機械・電気設備の管理から重機操縦・安全管理まで担う『設備管理・現場運用系』のスキル」が多く求められます
求められるスキル
転職に役立つ資格
転職に有利な「地上の資格・経験」 一部はスキル標準でも参照されていますが、ここでは「標準外」のものも含め、未経験者が転職活動でアピールしやすい資格を参考として紹介します。
施設設備エンジニアに役立つ資格

国家資格
- 電気主任技術者
- 高圧ガス製造保安責任者
- 危険物取扱者(甲種)
- ボイラー技士
- クレーン・デリック運転士
民間資格
- ビルメンテナンス(建築物環境衛生管理技術者)
- フォークリフト運転技能講習修了
- 玉掛け技能講習修了
- 施設管理技士
- 防災士
施設設備エンジニアの年収
平均年収:約500万円
年収レンジ:350万円 〜 800万円
施設設備エンジニアの年収は、保有する資格の種類や管理する設備の範囲によって変動します。電気主任技術者やボイラー技士などの資格を持つと評価が高まる傾向があります。政府の大規模プロジェクト(官需)と民間の商業プロジェクト(民需)では予算規模が異なり、年収水準にも差が出ます。
経験を積んで射場運営の統括責任者やPMへステップアップすることで年収はさらに上がっていきます。
施設設備エンジニアのキャリアパス
STEP
現場で基礎を身につける
先輩エンジニアのもとで、射場設備の基本的な点検・保守作業を担当します。機械設備と電気設備の構造や動作原理を実務を通じて学び、重機の操縦技術や安全管理のルールも身につけていきます。
STEP
主担当として独り立ちする
特定の設備領域(たとえば電気系設備や空調系設備など)を自力で管理できるようになります。定期点検の計画立案から故障時の修理対応まで一連の業務を主導し、打ち上げスケジュールに合わせた設備準備も担当します。
STEP
専門リーダーとしてチームを率いる
射場設備全体を統括し、複数の設備管理スタッフを指導するポジションに就きます。製造業でいえば「設備担当者から工場の設備管理部門長」への昇格に近い変化です。打ち上げに向けた全設備の準備計画の策定と進捗管理を担います。
STEP
組織・プロジェクト全体を統括する
設備管理にとどまらず、射場運営全体やプロジェクト全体を見渡すポジションに就きます。宇宙スキル標準における「プロジェクトマネージャ(PM)」として、射場整備・設備管理・打ち上げオペレーションを含むプロジェクト全体の計画策定と統括を担います。
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施設設備エンジニアへの転職を成功させるには
宇宙業界の施設設備エンジニアに最も必要なのは、「設備の異常を見逃さず、常に最良の状態を維持し続ける几帳面さと実行力」です。
理系・文系を問わず、設備管理や施設保全に携わった経験がある方であれば活躍の可能性があります。「工場やビルでの設備保全・点検の経験」や「クレーンやフォークリフトの運転資格」は、宇宙業界でもそのまま強みになります。まずはロケットの射場にどのような設備があり、どのように管理されているのかを調べることから始めてみましょう。

